民家とその再生について
民家とは・・・
民家とは、その土地土地に伝承された技術と地域に産する材料をもとに、その地の気候風土にあわせて建てられた住まい です。自然の恩恵と脅威とをともに受け、職住が密接した生活に適合したつくりとなっています。その建設は、地域の大工の手により、あるいは地域住民の共同体の手にもよりました。
風土に適合した姿と、木材や土などの自然素材による民家は、年月を経て改良・洗練を重ね、美しい住まいへ完成されていきました・・・・・・
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民家の外観
大らかな屋根・深い軒がつくる陰影・・・民家の外観はまずは屋根のシルエットでつくられています。子供らが絵に描く「お家」は、現代でもそのまま屋根であることが多いように、屋根は住まいのシンボルであり、同時にまた、その下に覆われる家族の結びつきをも表しています。
高温多雨の日本では雨の処理が古来より大きな問題であり、雨水をすばやく逃がすためには単純な形の勾配屋根がふさわしい形でした。
大らかな屋根・深い軒がつくる陰影・・・・・・
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民家の間取り
地域地域によって異なる形式をもち、町家/農家でももちろん間取りの形式は異なります。けれども大きく述べて民家には以下のような間取りの特徴があります。- 壁で間仕切らず、建具で区切って部屋を構成する
- 廊下を持たず、部屋と部屋が直接つながる
- 土間を有する
家族のなかでの個人のプライバシーの欠如は、家族構成とライフスタイルの変遷においてマイナスとみなされてきました・・・・・・
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民家の構造
太い丸太の梁が組み合わされた豪壮な小屋組み それらを支える太い柱 これらはまさに民家の代表的な特徴で、民家のイメージを形作っています。どっしりとした安心感があり、住まいの安らぎにつながっています。けれども一方、足元は単に石の上に載っかっただけでもあり、また、非常に重い屋根を支えなくてはなりません。
これら民家の構造/工法は現代に新しく建てられる木造の住宅とは大きく異なっています・・・・・・
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民家の明かり
民家に暮らす人の代表的な不満に 「暗い」 というものがあります。
しかしながら、日本の家屋は本来さほど明るいものではありませんでした。
本来開放的で柱間が全て開口部となっている農家型の民家では、先にも記したとおり深い軒と大きな屋根とを特徴としています。建物の奥行きが大きなものとなり、いきおい住まいの中央部には光が行き届きません。深い軒に加え、建物外周を巡る縁の部分がなおさら光を弱めます・・・・・・
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民家の防寒
民家に暮らす人の不満の 「暗い」 が東の横綱ならば、西の横綱は 「寒い」 でしょうか?兼好法師が書き記したとおり、日本の住まいは夏を旨として建てられました。通風を重視した開放的な住まいです。けれども日本には豊かな四季があり、厳しい冬の寒さがありました。
もちろん断熱も気密もない住まい、これではやはり冬を過ごすことは過酷です。土が断熱・保温に用いられたとはいえ、現代の断熱材とはその性能値の桁が異なります・・・・・・
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民家の改修費用
民家の改修はとても高くつきます。少なくとも一般にはそう思われています。壊して建替えた方が安くつく、とも言われたりしています。しかし果たしてそうでしょうか?
民家の改修が高くつく理由は
- まず第一に民家そのものの規模が大きい・・・工事面積が大きい
- 既存の素材に合わせ自然素材を用いる・・・現在では自然素材は高い
- 現況に応じた細かな手仕事が要求さ・・・・・・
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