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改修前/工事中の様子

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コンセプト

若狭地方に特徴的な叉首構造の茅葺民家を建替えることとなりました。解体する民家の柱・梁などの木材や建具などを新たな建物に受け継ぎ再生させることは、建築主の方にも私にも共通する想いでした。

丸太の梁が露出する豪壮な小屋組みは、従来の日本の民家では漆黒の空間です。 けれども現代に新しく再生する民家として、闇の美しさではなく、光の美しさによる民家を考えたい、長い年月住まいを支え生活を見続けてきた柱と梁に光をあてて祝福したい、と私は願いました。

小屋裏を自然の光で満たします。その天井は全面に太鼓張りの紙障子を張りわたし、その組子は豪壮な小屋組みに対して繊細なデザインとして、控えめに和紙に包まれています。小屋裏に充満した自然光は紙障子を通して柔らかく降り注ぎ、住まいの骨組みを美しく浮かび上がらせます。小屋裏にはあえて照明を組み込まず、曇りの日には陰のある光を、そして夜にはひっそりと漂う闇に、と骨組みにも自然の移ろいと時間を与えるようにしています。

新たな衣をまとった住まいの骨組みたちは、光と影を映し悠然と時を刻んでいきます。

建築概要

敷地面積 349.70㎡(仮想敷地)
建築面積 203.22㎡
延床面積 169.90㎡
規模構造 木造 平家建て(将来2階対応)
設計期間 2009年12月~2011年10月
工事期間 2011年10月~2012年09月
設計監理 木村哲矢建築計画事務所
施  工 新保興業株式会社
撮  影 中村写真工房 中村大輔
プロデュース アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(株)
掲  載 ●「住宅建築」2013年10月号
  (建築資料研究社)