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改修前/工事中の様子

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コンセプト

■改修前の状況
若狭地方の築60年の民家は、様々な再利用木材で建設され、折々に増改築も施されておりました。耐震性には不安があり、木材の腐朽・損傷も進んでいます。室内には段差も多く、天井は低くて明るさも不十分であり、冬の寒さは大変厳しいものでした。

■改修の方針
・落ち着いた民家らしい内外観
・生活空間の整理と合理化
・住宅設備の一新
・バリヤフリー化
・防寒対策
・腐朽材の交換と構造補強

■改修の具体的な詳細
使う予定の無い2階の床を取り払い、吹抜として東~南~西と三方向から常に陽射しが降り注ぐ明るい造りとし、2階の床梁と小屋組みの丸太梁とを現しとして、ゆったりとした空間の拡がりを造ります。
間仕切りの位置も変更し、引き込みの紙障子で夏はひろびろと、そして冬には暖かく区切ります。それらの紙障子は太鼓張りとして断熱性能を高めるとともに、灯りがほんのり透過しあるいは陽の影が映り、眼にも温かなものが感じられます。その一部は模様張りとして組子を覗かせ、視覚的なアクセントとしています。
不安な構造はすっかり取り除き、間取りも仕上げも一新してよみがえったお住まいは、新旧の様々な材料・設えと丁寧な職人の仕事とが渾然一体となって、人と住まいと暮らしとが、手の痕跡・時間の痕跡とともにあることを感じさせてくれます。

建築概要

建築面積 144.69㎡(改修後)
延床面積 141.01㎡(改修後)
規模構造 木造 2階建て
設計期間 2010年03月~2011年08月
工事期間 2011年08月~2011年12月
設計監理 木村哲矢建築計画事務所
施  工 株式会社 坂根工務店
撮  影 中村写真工房 中村大輔
プロデュース アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(株)